2025年末で終了予定だった住宅ローン控除が、2030年末まで5年間延長されることが決まりました。政府・与党が2025年度の税制改正で延長方針を発表し、中古住宅・買取再販住宅の借入上限引き上げや控除期間の延長も予定されています。これから家を建てる方、中古住宅の購入やリフォームを考えている方にとって、大きなプラス材料となりそうですね。
今回は、新築、中古・買取再販、リフォームと、それぞれの住宅タイプ別に2026年以降の住宅ローン控除を分かりやすくお伝えします。
(当記事は2025.12時点での情報を元に作成しています)

新築住宅に関しては、基本的に現行維持の見込み。控除期間は13年間。年末のローン残高×0.7%が所得税(控除しきれない分は住民税から年間9.75万円まで)から控除されます。
住宅の性能と世帯によって、借入限度額が異なります。
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住宅の種類 |
一般世帯 |
子育て・若者夫婦世帯 |
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認定長期優良住宅・低炭素住宅 |
4,500万円 |
5,000万円 |
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ZEH水準省エネ住宅 |
3,500万円 |
4,500万円 |
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省エネ基準適合住宅 |
3,000万円 |
4,000万円 |
子育て世帯(19歳未満の扶養親族を有する世帯)と若者夫婦世帯(夫婦のいずれかが40歳未満)には、借入限度額が500万円〜1,000万円上乗せされます。
具体例:
認定長期優良住宅×子育て世帯
借入限度額5,000万円の場合、年末ローン残高が4,800万円なら
- 1年目の控除額:4,800万円×0.7%=33.6万円
- 13年間の最大控除額:455万円
新車1台分、あるいは子どもの教育費の大きな助けにもなる金額ですね。

中古住宅と買取再販住宅(不動産会社が中古住宅を買い取り、リフォームやリノベーションを施して再販売する住宅)は、2026年以降、大幅に条件が改善される予定です。
2025年まで(現行):
借入限度額:最大3,000万円
控除期間:10年間
2026年以降(予定)
- 環境性能の高い物件
借入限度額:3,500万円
控除期間:13年間
- 子育て世帯などが購入
借入限度額:最大4,500万円
控除期間:13年間
- その他の物件
現行維持の見込み
環境性能の高い物件や子育て世帯が購入する場合、借入限度額が最大1,500万円増え、控除期間が3年延びることで、最大で4,500万円×0.7%×13年=409.5万円の控除が受けられるようになります。現行制度との差は実に200万円以上。中古住宅や買取再販住宅、リノベーション物件を検討している方にとっては大きな追い風です。

リフォーム・増改築についても、一定の条件を満たせば住宅ローン控除の対象となります。控除期間は最大10年間です。
年末のローン残高に対して0.7%を乗じた金額が控除されます。例えば、年末のローン残高が1,500万円なら、1,500万円×0.7%=10.5万円が控除額となります。
住宅ローン控除は最大455万円という大きな節税効果がありますが、知っておくべきポイントがいくつかあります。
住宅ローン控除は「税額控除」です。これは、計算上の控除額がそのまま戻ってくるわけではなく、実際に納めた税金の範囲内でしか控除されないということ。
例えば、計算上の控除額が年間35万円でも、その年に納めた所得税が20万円だった場合、所得税からの還付は20万円までです。残りの15万円は翌年の住民税から控除されますが、住民税からの控除には年間9.75万円という上限があります。
つまり、この例では実際の控除額は29.75万円(所得税20万円+住民税9.75万円)となり、5.25万円分が使い切れないことになります。
返済期間が10年未満になると、住宅ローン控除の対象外になってしまいます。控除期間中は繰り上げ返済を慎重に検討し、控除期間終了後にまとめて繰り上げ返済するという選択肢も検討する価値があります。
省エネ基準適合は、税制優遇のためだけではありません。福井の厳しい気候の中で快適に暮らすため、光熱費を抑えて家計を助けるため、そして地球環境を守るため。そういった本質的な価値があるからこそ、私たちは高性能住宅にこだわり続けています。
新築、中古住宅のリノベーション、リフォームまで、住宅ローン控除を最大限活用しながら、長く安心して暮らせる家を、私たちと一緒につくりませんか?